「物流コストを削減したいけど、どうしたらいいんだろうか」
「物流を外注しようと思っているけれど、アウトソーシングするといくらかかるんだろう」
自社の物流について悩んでいる人は、上記のように考えているのではないでしょうか。
物流コストを削減するには、物流アウトソーシングがおすすめです。
物流アウトソーシングを利用すると、コア業務に集中できるので、より効果的に売り上げを伸ばせるようになるでしょう。
この記事では、物流アウトソーシングと自社物流の違いや、メリット・デメリット、物流アウトソーシングの費用相場を解説していきます。
この記事を最後まで読むと、物流アウトソーシングのメリット・デメリット、費用の相場がわかります。
そのため、適正価格で物流業務を外注できるでしょう。
物流コスト削減について悩んでいる人や、物流の外注を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
物流アウトソーシングとは?自社物流との違いは?
EC事業などをしていると、商品をお客様に届けるために2通りの方法があります。
- 自社物流
- 物流アウトソーシング
自社物流は、商品の保管・管理や受注を受けてからの発送準備、配送業者の手配までを自社で行う方法です。
一方物流アウトソーシングは、商品の保管から発送までの業務を専門業者に委託する方法のことを指します。
規模が小さく、自社で発送業務を無理なく行える場合は自社物流でもいいでしょう。
しかし、規模が大きくなると自社で発送業務を行っていると、コア業務に集中できなくなってしまう可能性があります。
商品管理や発送業務によって、自社の負担が大きくなっている場合は、専門業者に委託を検討しましょう。
物流アウトソーシングのメリット・デメリット
ここからは、物流アウトソーシングのメリット・デメリットを紹介します。
物流アウトソーシングのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・コア業務に集中できる ・コスト削減に繋がる ・繁忙期・閑散期のリスクを回避できる ・物流品質を保てる | ・機密事項漏洩の恐れがある ・自社にノウハウが蓄積されない ・柔軟な変更が行えない ・情報共有がしにくい |
物流アウトソーシングのメリット・デメリットをくわしく解説していきます。
物流アウトソーシングのメリット
物流アウトソーシングの大きなメリットは、コア業務に集中できるようになることです。
注文数が多くなると、発送業務にい追われて本来行わなければいけない業務に集中できなくなってしまいます。
せっかっく売り上げが向上してきても、これでは本末転倒です。
しかし専門業者に業務を依頼することで、発送業務の負担がなくなり、コア業務に集中できます。
そのほかのメリットは以下の通りです。
- コア業務に集中できる
- コスト削減に繋がる
- 繁忙期・閑散期のリスクを回避できる
- 物流品質を保てる
また、物流アウトソーシングを利用すると、コスト削減が期待できます。
在庫保管に必要な場所や設備、物流のためのシステム構築を一から行うと、多くの費用がかかります。
専門業者に委託すると、これらの費用はかかりません。
また、専門業者は独自のノウハウを持っているので、効率的な物流業務を行えます。
繁忙期や閑散期のリスクを避け、一定の品質で物流業務を行ってくれることが魅力です。
物流アウトソーシングのデメリット
物流アウトソーシングのデメリットは、自社にノウハウが蓄積されないことです。
社内に物流ノウハウが蓄積されないので、一度物流アウトソーシングを行うと、その後内製化するのは難しくなるでしょう。
また、機密事項が漏洩する恐れもあるため、契約時に守秘義務の条項を盛り込むのがおすすめです。
- 機密事項漏洩の恐れがある
- 自社にノウハウが蓄積されない
- 柔軟な変更が行えない
- 情報共有がしにくい
アウトソーシングをすると、物流の流れやシステムを自社の決定だけで変更できなくなります。
何か変更をする場合は、委託会社と協議しなくてはいいけません。
また、商品管理から物流を他社に委託するため、密な情報共有がしにくいこともデメリットです。
問題が発生したときの対応が後手になったり、エンドユーザーの声を聞く機会が減ったりする可能性もあります。
自社物流のメリット・デメリット
ここからは、自社物流のメリット・デメリットを紹介します。
自社物流のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・物流ノウハウを蓄積できる ・物流システムを構築できる ・密な情報共有が行える ・エンドユーザーの声を直接聞ける | ・物流コストがかかる ・コア業務に集中できなくなる可能性がある ・繁忙期・閑散期の変動に対応できない ・一部スタッフの負担が大きくなる可能性がある |
自社物流のメリット・デメリットをくわしく解説していきます。
自社物流のメリット
自社物流のメリットは、物流ノウハウを自社に蓄積できることです。
自社にあったシステムを構築できるので、社内で一貫して業務を行えます。
- 物流ノウハウを蓄積できる
- 物流システムを構築できる
- 密な情報共有が行える
- エンドユーザーの声を直接聞ける
物流業務を自社で行うと、アウトソーシングと比較して綿密な情報共有が行えます。
エンドユーザーの声も直接耳に入るので、顧客ニーズの発掘やマーケティングにも生かせるでしょう。
自社物流のデメリット
自社物流で最もデメリットとなるのが、コストです。
商品を保管するための倉庫や、在庫管理のシステム開発など、多くの初期費用がかかります。
また、受注数が多くなると、発注業務が忙しく、コア業務に集中できなくなってしまいます。
- 物流コストがかかる
- コア業務に集中できなくなる可能性がある
- 繁忙期・閑散期の変動に対応できない
- 一部スタッフの負担が大きくなる可能性がある
また、季節によって商品の売り上げに変動がある場合もあります。
自社物流をしていると、閑散期にかかる物流コストが大きな負担となります。
その結果、一定の流通品質を保てず、欠品や遅延を招く要因になりかねません。
物流スタッフに大きな負担がかかってしまう可能性があるので注意しましょう。
物流コストの内訳・費用相場
次に、物流コストについて解説していきます。
物流コストは、大まかにわけて2つの種類があります。
- 固定費
- 変動費
固定費と変動費にわけて、物流コストの内訳や費用相場を解説していきます。
固定費
物流コストの固定費は、出荷量に関わらず発生する経費のことです。
物流コストの固定費に含まれるのは、以下の費用です。
- システム利用料
- 業務管理料
- 倉庫保管料
物流コストの固定費に含まれる内訳や相場を解説します。
システム利用料の費用相場
システム利用料とは、倉庫管理システム(Warehouse Management System)と呼ばれる物流倉庫のシステム利用料のことです。
倉庫管理システム(Warehouse Management System)は、在庫管理・入荷・格納・ピッキングなど、倉庫で行われる作業に必要な情報の収集・出力が行われます。
また、物流業務に使用するハンディターミナルやプリンタなどの保守費用も含まれます。
システム利用料に含まれるものは以下の通りです。
- 倉庫管理システム(Warehouse Management System)
- ハンディターミナル
- プリンタ
システム利用料の相場は、30,000~80,000円です。
使用しているシステムによって、費用に変動があります。
業務管理料の相場
業務管理料とは、在庫管理のためにかかる費用のことです。
システム利用料とまとめて請求されることもあります。
業務管理料の相場は、10,000~100,000円です。
業務管理料は、出荷件数によって単価が安くなることもあります。
倉庫保管料の相場(パレット辺り・1坪辺り)
倉庫保管料とは、商品を保管するために必要なスペースを確保するための費用です。
依頼する専門業者によって費用を算出する単位が異なります。
主な単位は以下の通りです。
- 1坪
- 1パレット
- 1ラック
倉庫保管料の相場は、1坪あたり3,000円~6,000円、1パレット辺り900円~2,700円です。
倉庫管理料は倉庫の立地や種類によって変動があります。
地域ごとの費用相場は以下の通りです。
倉庫のエリア | 倉庫保管料の相場(坪単価) |
---|---|
東京 | 3,500〜7,000円 |
仙台 | 2,800〜4,000円 |
近畿 | 3,700〜4,500円 |
中部 | 3,500〜4,000円 |
福岡 | 2,700〜3,500円 |
変動費
物流コストの変動費は、出荷量応じて変動する経費のことです。
物流コストの変動費に含まれるのは、以下の費用です。
- デバンニング料
- 入庫料
- 検品料
- 出荷・ピッキング料
- 梱包料
- 配送料
- その他
物流コストの変動費に含まれる内訳や相場を解説します。
デバンニング料の相場
デバニング料とは、トラックやコンテナからの荷下ろしにかかる費用のことです。
デバニング料の相場は、25,000円~35,000円です。
フォークリフトを使って作業をするのか、人力で作業するのかで費用は異なります。
入庫料の相場
入庫料とは、商品を倉庫へ搬入する際にかかる費用のことをいいます。
入庫料の相場は、1個あたり10円~30円、1ケースあたり30~100円です。
商品のサイズや形状によって費用が異なり、小さいサイズの商品はケース単価で請求されることが多いです。
検品料
検品料とは、入庫時の検品にかかる費用のことです。
検品内容によって相場が異なり、数量の確認は1個あたり10円~30円です。
精密機器の動作確認が必要な場合は、1個あたり100円~200円かかります。
一般的な検品作業であれば、1個あたり10円~100円で行えるでしょう。
依頼する業者によって、検品内容が異なるため、契約時はしっかりチェックしてくださいね。
出荷・ピッキング料の相場
出荷・ピッキング料とは、出荷指示が出された商品を倉庫から集める作業(ピッキング作業)にかかる費用のことです。
出荷・ピッキングにかかる相場は、1個あたり10円~30円です。
商品に広告を封入したりする場合、別途流通加工費がかかります。
流通加工費の相場は、別途10円程度です。
依頼する業者によっては、出荷・ピッキング料が梱包料に含まれるケースもあります。
梱包料の相場
梱包料とは、商品を段ボールに梱包する作業にかかる費用のことです。
梱包料にかかる相場は、150円~300円です。
ギフトラッピングなどが必要な場合は、別途追加費用がかかります。
配送料の相場
配送料とは、荷物を届けるためにかかる費用のことです。
配送料の相場は、400円~1,200円です。
契約する業者によって、自社でトラックやドライバーを保有している場合と、運送会社と契約している場合があります。
その他の相場
冷蔵・冷凍商品を扱う場合は、冷蔵設備にかかる光熱費が発生します。
また、システムで仕分けができない商品は、別途費用が必要です。
このように業者ごとに費用が加算されることもあるので、契約時にしっかり契約内容を確認しましょう。
物流アウトシーシングを検討している人はまず見積もり依頼をしよう
この記事を読んで物流アウトソーシングの検討をはじめた人は、物流倉庫会社へ見積もりを依頼しましょう。
1社の見積もりだけできめてしまうと、相場よりも高い金額で契約してしまうこともあるので注意が必要です。
3社程度に相見積もりをして、費用やサービス内容を比較検討しましょう。
相見積もりをすると、依頼を検討している地域の費用相場が分かり、適正価格で契約ができます。
適正価格がわかると、契約金額やサービスの交渉が行いやすくなるため、物流コストの削減にも繋がりますよ。
物流コスト削減ならアウトソーシングがおすすめ
この記事では、物流アウトソーシングと自社物流の違いやメリット・デメリット、費用相場を解説しました。
自社物流は、自社にあった物流ノウハウを蓄積できますが、その分多くのコストがかかります。
物流業務による事業圧迫が心配な人は、物流アウトソーシングを検討しましょう。
物流アウトソーシングを利用すると、自社で倉庫を保有する必要がなく、システム開発の初期費用もかかりません。
その結果、物流業務のコスト削減に繋がります。
また、自社物流では繁忙期や閑散期に大きな負担がかかります。
しかし物流アウトソーシングを利用すると、安定した物流品質を保て、安心してお客様へ商品を届けられるでしょう。