化粧品のOEMにかかる費用とは?費用の内訳や業者の選び方ついても紹介

What is OEM?

OEMを行うことで製造以外の業務に集中できることを知っていますか?

この記事では「化粧品のOEM費用」について解説していきます。結論、化粧品のOEMは依頼する業務やロット数によって費用が異なります

化粧品のOEMを検討する際、わかりづらい「化粧品のOEMの費用」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。

また「物流コスト」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。

目次

OEMとは?

OEMとは?

OEMとは、自社の工場で作った商品を自社ブランドではなく他社ブランドとして製造することです。英語のOriginal Equipment Manufacturing(Manufacturer)の頭文字から名づけられました。

OEMは幅広い分野で広がっていて、

  • 化粧品
  • 食品
  • 家電
  • 自動車

などで見られます。OEMには、大きく2種類の形態があります

  • OEM受託側がブランド側に提案することで製造する
  • 企業がメーカーに委託契約する

OEMは、資産が少なくても自社オリジナルブランドが作成できるというメリットがあります。在庫リスクを抑えるために、小ロット生産を目指すことも可能です。
依頼側にノウハウや設備がなくても化粧品づくりが目指せるという点も魅力的でしょう。

一方デメリットは、自社内の生産技術のノウハウが育たないというものです。また依頼した業者が競合になる可能性があるので、油断はできません。
自社ではノウハウが育たないので、将来的に苦戦する可能性もあります。

OEMは、自社ブランドの化粧品を手掛けたい場合の選択肢の一つです。

化粧品のOEMにかかる費用とは?

化粧品のOEMにかかる費用とは?

化粧品のOEMにかかる費用についてみていきましょう。

化粧水の場合

化粧水は、作る量や本数によって必要な費用が異なります。一般的に作る量が増えれば、1本あたりの単価が下がります。

一例をみていきましょう。

本数100本の場合1,000本の場合
合計金額約9万円約60万円
1本あたり900円600円

引用元:化粧品OEMラボ

美容液の場合

美容液の場合

美容液の場合も、作る本数や量によって異なります。また多く作れば、交渉次第で印刷ラベル代がお得になる可能性もあるでしょう。

80mlの美容液を作ったと想定した場合の一例をご紹介していきます。

本数100本の場合1,000本の場合
合計金額約10万円約65万円
1本あたり1000円650円

引用元:化粧品OEMラボ

フェイスマスクの場合

フェイスマスクの場合も、枚数が多ければお得になります。フェイスマスクの場合の一例をみていきましょう。

枚数3,000本の場合10,000本の場合
合計金額約45万円約160万円
1本あたり150円115円

引用元:化粧品OEMラボ

価格は一例で、メーカーとの交渉によっても異なります。
トータルの金額を抑えて小ロット生産にするか、一本当たりの単価を抑えて多めに作成するかよく検討する必要があるでしょう

化粧品のOEMでかかる費用の内訳

化粧品のOEMでかかる費用の内訳

化粧品のOEMでかかる費用の内訳をみていきましょう。

バルク費用

バルク費用とは、容器に入れる前の化粧品の中身にかかる値段のことです。

工場の多くは、

  • 化粧品の中身の製造
  • 中身を容器に入れる
  • 容器を包装する

など最初から最後まで一貫して行います。
ただし工場によっては中身だけを製造する専門、容器を包装する専門などに分かれているケースも少なくありません。その場合は、バルクを輸送する費用も必要です。

また海外の工場に依頼をする場合は、日本に輸送する際の

  • 規制はないか
  • 輸送方法はどうするか
  • 輸出に必要な証明書はあるのか

などで必要になる費用も変わってきます。バルク費用に関しては、OEMメーカーとの打ち合わせが大切です。

サンプル費用

サンプル費用

サンプル費用とは、化粧品のバルクを作成する前に試作品を作るためのお金です。化粧品は、何度も試作を重ねて作られます。
平均的には5回程度のサンプルで完成品ができますが、こだわりが強ければさらに回数を重ねることも少なくありません。

一般的にサンプル費用は無料という場合が多いものですが、回数が多い場合や材料が高い場合は費用が掛かることがあります。サンプル費用を低くしたい場合は事前に成分の打ち合わせをしておき、必要最低限の回数で試作品が作れるようにしておくといいでしょう。

資材・原材料費用

資材・原材料費用は、どのような化粧品を作成するのかによって異なります。原材料にこだわれば、費用が高額になる可能性もあります。

資材とは、

  • 容器
  • キャップ
  • 化粧箱

などのことです。

コストを気にする場合は、どこを抑えるかよく考える必要があります

パッケージデザイン費用

パッケージデザイン費用

パッケージデザイン費用は、化粧品の売り上げにも大きくかかわる要素です。いくら中身が効果的であっても、容器がいまいちであれば売り上げが伸びにくいケースが少なくありません。

また中身がおしゃれだったので、爆発的に人気が出たという例もあります。パッケージデザインは指定がなければ安く抑えることも可能ですが、汎用性の高いデザインになる可能性が高いものです。

一方でデザインをデザイナーに依頼すればコストが余計に必要ですが、注目を集める可能性もあります。費用対効果を考えてデザインを考える必要があるでしょう。

充填・梱包費用

充填・梱包費用は、化粧品の製造になくてはならない項目です。充填や梱包は機械で行うことが多いですが、容器が特殊な場合に手作業になるケースがあります。

手作業で行う場合は、機械よりも高額になる傾向です。

充填・梱包費用を抑えたい場合は、容器のデザインを考える際に充填や梱包がしやすいかどうかも視野にいれて検討する必要があるでしょう。

発送費用

発送費用

発送費用は、商品を運ぶ際に必要な費用です。輸送代だけでなく、商品を入れる段ボールの費用も求められます。
容器が特殊なデザインであれば、段ボールの費用も余計に求められるでしょう

汎用性の高いデザインであれば、OEMメーカーが利用しているものをそのまま利用できてコストが抑えられます。さらに発送する本数によっても発送費用が変わってくるので、あらかじめ予算に入れておくといいでしょう。

化粧品のOEM費用を抑えるポイントとは?

化粧品のOEM費用を抑えるポイントとは?

なるべく費用を抑えて化粧品のOEMを手掛けるポイントをみていきましょう。

OEMメーカーのバルクを使用する

OEMメーカーの多くは、自分たちのバルクを製造しています。OEMメーカーのバルクを使えば、新たにバルクを製造する手間やコストを減らす効果が期待できます。

ただし全く同じバルクを使うと、他社の化粧品との差別化が難しいものです。

OEMメーカーのバルクを使う場合には、

  • 香り
  • 原材料の配合を変える

などのOEMメーカーのバルクの処方をベースにして自社アレンジを加えることが少なくありません。

OEMメーカーとよく相談して、開発を進めるといいでしょう。

自社工場を持つメーカーと契約する

自社工場を持つメーカーと契約する

OEMメーカーを選ぶ際は、自社工場を持っているかどうかにも注目してみてください。自社工場のあるメーカーは中間コストを抑えることが可能です。

しかし自社工場を持たないメーカーの場合は、他社の工場に製造を依頼する必要があるので、手間もコストも余計に求められます
OEMメーカーの会社案内やホームページをよく確認して、工場を持っているところに相談するといいでしょう。

プラスチック容器を利用する

プラスチック容器は、汎用性が高くコストを抑えた製造が可能です。加工がしやすいプラスチックは大量生産も可能で、本数を多く生産したいというニーズも叶えてくれます。

一方プラスチック容器以外に使われることの多いガラスは高級感があり、中身も劣化しにくいものです。しかし費用や充填に手間が掛かります。
コストを抑えるのであれば、プラスチックの利用を検討してみてください。

化粧品のOEMで気を付けるポイント

化粧品のOEMで気を付けるポイント

化粧品のOEMで気を付けるポイントをみていきましょう。

最小ロットが少ない会社は費用が高くなる

化粧品はロット数が多いほど、1本あたりの費用が抑えられます。初めから最小ロットが少ない会社は、1本あたりのコストが高くなる傾向です。

初めから最小ロットしか作らないと決めている場合は、最小ロットの少ない会社が魅力です。しかしコストを抑えて大量生産したい場合には、最小ロットが少ない会社は不向きでしょう。

まずは自分たちはどのくらいの数を制作したいのか、コスト重視なのかを決めておくとスムーズにOEM業者を決められます。

成分からこだわると費用が高い

成分からこだわると費用が高い

成分にこだわれば、費用が高くなります。成分は化粧品の良し悪しを決めるものですが、費用面を考えるとバランスをとる必要があるでしょう。
成分を重視するのであれば、パッケージを簡素化するといった工夫が求められます。

OEM業者にはバルク作りのノウハウが蓄積されています。依頼する際に、相談を重ねながらどの部分にこだわるかよく相談することがおすすめです。

ブランディングやマーケティングは自社で行う必要がある

ブランディングやマーケティングは、OEMメーカーは対応していないケースが少なくありません。基本的には、依頼した会社がブランディングやマーケティングまで行うものです。
ブランディングやマーケティングをOEM会社にお任せすることはできないので、事前にある程度の化粧品業界の知識が求められます。

ブランディングやマーケティングは化粧品の売り上げを左右します。製造はOEM業者にお任せして、社内ではブランディングやマーケティングに専念するといいでしょう。
市場調査を行ったり、OEM化粧品のターゲットの好みを詳しく調査したりと、仕事は多岐に及びます。

場合によっては、ブランディングやマーケティングを専門に行う業者に相談する必要があります。調査結果を商品作りにいかせば、魅力的な化粧品が完成するでしょう。
OEMメーカーはあくまでも製造をお願いするという姿勢で臨むことをおすすめします。

化粧品のOEM業者を選ぶ時のポイント

化粧品のOEM業者を選ぶ時のポイント

具体的な化粧品のOEM業者を選ぶ方法をみていきましょう。

最小ロット数を確認する

最小ロット数は、業者によって異なります。自社の考えに沿ったロット数の業者を選ぶといいでしょう。
ロット数の少ない会社は価格が割高になりがちですが、在庫を抱えすぎなくて済むといったメリットもあります。

一方ロット数の多い会社は総額が高額になりますが、1本あたりの単価を下げたり、印刷代がお得になったりするケースが少なくありません。ロット数は必ず確認して選ぶといいでしょう。

自社工場を持っているか確認する

自社工場を持っているか確認する

自社工場のある会社は、コストを抑えられます。自社工場で対応するのか、他社に依頼するのか確認が必要です。
他社に依頼する場合は、その分だけで費用が掛かることが少なくありません

コスト面を重視して業者を選ぶ場合には、不都合といえるでしょう。一方他社工場に依頼する場合には、設備や技術に融通が利きやすいといったメリットもあります。

自社工場がないという場合にも、依頼できそうな他社工場と取引をしていないか相談してみるといいでしょう。

なお日本の大手化粧品OEM業者の多くは自社工場を持っています。ただし依頼本数が多い場合や特殊な容器を使う場合は自社工場だけでは対応できず、外注にも依頼する場合があります。

自社工場を持っていても、事前に外注に依頼するのかを確認しておくことがおすすめです。自社工場だけでお願いしたい場合は、成分や容器について打合せしておくといいでしょう。 

得意な化粧品のジャンルを確認する

得意な化粧品のジャンルは、業者によって異なります。まずはどのような化粧品を作りたいのかよく考えてから、業者を選ぶといいでしょう。

ただし業者によっては、外注や他社工場に依頼することで不得意な分野をカバーすることもあります。気になる業者がある場合は、まず話を聞いてみることもおすすめです。

化粧品のOEMにかかる費用を理解しよう

化粧品のOEMにかかる費用を理解しよう

この記事の結論をまとめると

  • OEMとは自社工場で作った商品を他社ブランドとして製造すること
  • ロット数や成分によって価格が変わる
  • 費用を抑えるにはバルクの中身や容器について工夫をする
  • 最小ロットが少ない会社は割高になりがち
  • 自社工場を思っている業者がおすすめ

化粧品のOEMを依頼する場合は、業者の得意な分野や自社工場の有無などを考えてトータルで決めるといいでしょう。今回の記事を参考に、考えに合った化粧品のOEM業者を見つけてみてくださいね。

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