倉庫を利用する時、倉庫保管料の費用相場はいくらぐらいでしょうか。
この記事では倉庫保管料の費用相場および倉庫保管料を安くするポイントを紹介します。
倉庫保管料を便利に使うためには料金の仕組みを知ることが重要です。
倉庫保管料を安くする5つのポイントをおさえて、倉庫を有効活用しましょう。
<この記事で分かること> 倉庫保管料の費用相場はいくら? 倉庫保管料を安くする方法を知りたい! 倉庫保管料の計算方法とは?
物流倉庫の保管料についての料金相場

物流倉庫を利用する際、保管料についての料金相場はいくらぐらいでしょうか?
保管料の費用は「固定費」と「変動費」の2つに大きく分けられます。
固定費は毎月定額でかかる費用、変動費は利用料に応じて変動する費用です。
固定費
固定費は物流倉庫を利用する際に毎月かかる定額料金です。
固定費は利用量に応じて変動することはなく、いくら使っても費用は変わりません。
科目 | 費用相場 |
---|---|
倉庫保管料 | 坪単価3,000円~10,000円 |
基本料金(システム手数料) | 20,000円~50,000円 |
業務管理料 | 10,000円~50,000円 |
倉庫保管料
倉庫保管料は倉庫を利用する際に必要な場所を確保する際に必要な費用です。
1坪あたり3,000円〜10,000円というのが倉庫保管料の相場です。
しかし、倉庫保管料は倉庫の場所によって変動します。
例えば、首都圏の倉庫では1坪あたり10,,000円前後と高額ですが、地方の倉庫では3,000円前後と割安で利用できます。
基本料金(システム手数料)
基本料金は物流倉庫を利用するために必要なシステムにかかる料金です。
システムは倉庫で預かっている荷物の個数や入荷日、出荷日、保管情報を管理する際に使用されます。
システム利用量の平均的な相場は20,000円~50,000円です。
業務管理料
業務管理料は物流倉庫を利用するためにかかる利用手数料です。
基本的に利用量によって変動することはありませんが、倉庫によっては保管量に応じて割引されることがあります。
業務管理料の平均的な料金相場は10,000円~50,000円です。
変動費
変動費は倉庫を利用する個数や頻度によって変動する費用です。
固定費のように月額いくら、という計算ではなく1個あたりの計算で金額が変わります。
科目 | 費用相場 |
---|---|
入庫料 | 1個あたり10~100円 |
検品料 | 1個あたり10~100円 |
ピッキング料(出荷料) | 1個あたり10~100円 |
梱包費用 | 1個あたり150~300円 |
デバンニング料 | 20,000円~35,000円 |
配送料 | 500円~1,500円 |
入庫料
倉庫に荷物を入れる際、入庫料がかかります。
入庫料は段ボールやパレットなど、入荷する方法によって料金が変動します。
入庫料の相場は1個あたり10~100円です。
基本的には個数単位でカウントしますが、小型の商品はセットにしてカウントすることもあります。
ピッキング料(出荷料)
倉庫に保管していた荷物を取り出す際にピッキング料(出荷料)がかかります。
ピッキング料の費用相場は1個あたり10~100円です。
検品料
倉庫に荷物を入れる際、荷物の検品をする際に検品料がかかります。
検品は個数のチェックや荷物に破損がないかどうかをチェックする作業です。
検品料の費用相場は1個あたり10~100円です。
梱包費用
梱包費用は、段ボールや箱に梱包する場合にかかる料金です。
梱包費用の相場は1個あたり150~300円です。
通常の段ボールであれば1個あたり150円前後ですが、ギフト品など特別な梱包をする場合は1個あたり300円と高額になる場合があります。
デバンニング料
デバンニングとは、フォークリフトなどの機械を使って倉庫から貨物を取り出すことをいいます。
扱いが難しく、安全面への配慮が必要なためデバンニングを依頼する場合は通常の入庫よりも高額の費用がかかります。
デバンニング料の費用相場は20,000円~35,000円です。
配送料
倉庫から荷物を出庫した後に配送を依頼する場合、運送会社に配送料を支払います。
配送料の費用相場は500円~1,500円です。
配送料は配送先の場所によって変わります。
北海道や沖縄、離島など距離がある場合は1,500円ほどかかります。
倉庫保管料の料金形態

はじめて倉庫を利用する際には料金形態が複雑でわかりづらい、と悩まれる方は多いでしょう。
倉庫保管料は商品の個数や重さ、スペースに応じて料金が異なります。
倉庫保管料の料金形態を計算する際は、以下5つのポイントに注目しましょう。
- 坪建て
- 個建て
- パレット建て
- 重量建て
- 容積建て
坪建て
レンタルするスペースの坪数で倉庫保管料を「坪建て」という計算方法で算出します。
坪建ては、倉庫を利用する際の料金として一般的な計算方法です。
坪は広さを表す単位で、1坪の広さを他の単位に換算すると、約3.31平方メートル、タタミ約2畳となります。
坪建てで倉庫保管料を計算する場合、使用している坪数を平均する「使用坪契約」または「固定坪契約」も鑑みる必要があります。
固定坪契約はあらかじめ使用する坪数が決められている契約です。
個建て
商品の大きさが均一に決まっている場合、個建てによって保管料を計算する方法があります。
商品1個あたりの単価を設定して、入庫する個数に応じて倉庫保管料を計算します。
「個建て」は在庫数が少ない場合や在庫数の予定が予測しづらい場合におすすめの方法です。
パレット建て
パレット建ての料金形態では、パレットの個数に応じて料金が変動します。
パレットとは倉庫に荷物を入れる際に、荷物を載せるために使う荷役台のことです。
重量建て
個数やパレットで荷物を管理できない場合、荷物の重さで料金を決定する場合があります。
重量建ての料金形態は重さによって料金が変動する計算方法となっています。
液体や粒状の荷物など、個数で管理しづらい荷物を預ける際に利用する方法です。
容積建て
容積建ては容積(横×縦×高さ)に応じて料金を決定する方法です。
コンテナで荷物を預け入れる場合に使われます。
海外から輸入した商品はコンテナの状態であることが多いため、国際的な取引に使われます。
倉庫保管料を安くする5つのポイント

倉庫保管料を安くするためのポイントとして、以下5点に注目しましょう。
- 適切な使用量を管理する
- 立地面を考慮する
- 商品によって異なる
- 梱包を依頼すると料金が高くなる
- 倉庫会社の実績をチェック
同じ倉庫を利用する場合であっても、倉庫の使い方を工夫することで保管料を節約できます。
これらのポイントに着目して倉庫保管料を削減しましょう。
ポイント1.適切な使用量を管理する
倉庫保管料を節約するためには適切な使用量を管理しましょう。
先ほども紹介したように、倉庫保管料の計算には「坪建て」「個建て」「パレット建て」「重量建て」「容積建て」という方法があります。
倉庫保管料を安くするためには、過剰なスペースを確保しないことが重要です。
自社の事業規模や業種に合わせて、倉庫をどれだけ使用するのかを予測して適切な使用量を管理するようにしましょう。
ただし、使用量が少なすぎると倉庫スペースが足りなくなってしまうことがあります。
特に、スタートアップ企業のように在庫の増加が予想される場合は余分にスペースを確保しておくことも考慮しましょう。
ポイント2.立地面を考慮する
倉庫保管料を安くするためには立地面を考慮しましょう。
自社に近いほうが配送料は安くなりますが、立地に応じて倉庫保管料が高くなる傾向にあります。
例えば、首都圏にある倉庫は郊外よりも倉庫保管料が高くなります。
郊外の倉庫は首都圏よりも料金が安いので、倉庫を利用する際は立地面を検討すると良いでしょう。
郊外の倉庫は高速道路の入り口からも近いため、距離が離れても配送に優れている立地の場合が多いです。
特に、全国の拠点に配送する必要のある場合に郊外の倉庫はおすすめです。
ポイント3.商品によって異なる
倉庫の利用料金は商品によって相場が異なります。
健康食品や化粧品のようにパッケージされた商品は流通加工する手間が少ないため、料金は安めです。
日用品や生活雑貨は商品の種類によって流通加工する手間がかかるため、費用が高めになります。
食品や飲料のように保存状態に気を付けなければならないものは料金が高くなります。
保存する際に低温状態にするため、水道光熱費や電気代がかかってしまうためです。
種類 | 一般的な価格帯 |
---|---|
健康食品・化粧品 | 200円~500円 |
日用品・生活雑貨 | 300円~600円 |
食品・飲料 | 500円~800円 |
ポイント4.梱包や流通加工を依頼すると料金が高くなる
梱包や流通加工などのサービスを依頼すると料金が高くなります。
加工をすることで預け入れた商品に付加価値が生まれるため、消費者にとって顧客満足度が高くなるものです。
しかし、梱包や流通加工をすると料金がかかります。
倉庫会社に加工してもらう場合と自社で加工する場合の料金を比較して料金を安くできる方法を選ぶと良いでしょう。
ポイント5.倉庫会社の実績をチェック
倉庫会社を選定する際は倉庫会社の実績もチェックしましょう。
実績が豊富な倉庫会社ほどノウハウが豊富で質の高いサービスをしてくれる傾向にあります。
流通機能だけでなく、アウトソーシングサービスやコンサルティングサービスを提供している倉庫も多いです。
例えば、3PLサービス(サードパーティ・ロジスティクス)は物流業務の一部または全部を倉庫会社に委託するサービスとして人気です。
倉庫会社に物流業務をアウトソーシングすることによって、自社のコア業務に専念できるというメリットがあります。
『サードパーティロジスティクス』とは
《third party logistics》企業の業務のうち、物流業務の一部または全部を他社に委託すること。また、その業務形態。物流事業者が荷主企業に対し、効率的な物流戦略や物流システムの構築などを提案し、長期的・包括的に請け負うことを指す。サードパーティーロジスティクス。
引用:『サードパーティロジスティクス』とは|weblio
倉庫保管料の計算例:3期制による計算

倉庫保管料を計算する際は「3期制」あるいは「日割り計算」という方法があります。
倉庫保管料は在庫数などに応じて決められるため、期日に応じて調整することで料金を抑えることが可能です。
特に、製造業など頻繁に在庫の出入れを繰り返す業種では三期制や日割り計算によって細かく在庫量を調整すると料金を安くできます。
3期制:保管料を3つの期間に分けて計算する
「3期制」という料金設定方法があります。
3期制とは1ヶ月を「1日〜10日」「11日〜20日」「21日〜31日」という3つの期間に区切る考え方です。
2期制は「1日~15日」「16日~31日」と1ヵ月を上期と下期に分ける考え方です。
1期制は1ヵ月を区切らない方法となります。
3期制の倉庫保管料の例として、「保管数 × 保管料単価」のように計算されます。
荷物の出入れが多い場合、3期制にすることで変動費を細やかに管理できるため保管料を削減可能です。
逆に、繰越在庫が多い状態だと余計に保管料がかかることもあるので、きめ細やかな在庫管理が求められます。
種類 | 計算方法 | メリット |
---|---|---|
1期制 | 期間を区切らない 「1日~31日」 | 入出庫が少ない場合におすすめ |
2期制 | 2つの期間に区切る 「1日~15日」 「16日~31日」 | 1期制と2期制の折衷案 |
3期制 | 3つの期間に区切る 「1日〜10日」 「11日〜20日」 「21日〜31日」 | 入出庫が多い場合におすすめ |
日割り計算:1日あたりで計算する
日割り計算では荷物の出入りが多い場合に使用され、1日あたりの個数ごとに計算できます。
実際に倉庫を利用している実態に合わせやすい方法です。
倉庫保管料の仕組みを理解しよう!

倉庫保管料を安くするためには倉庫保管料の相場を把握しておきましょう。
物流倉庫を利用する時は送料のほかにも固定費や変動費がかかります。
固定費は基本料金など毎月一定額発生する費用、変動費は入庫料や出庫量など利用高に応じて変動する費用です。
倉庫保管料を安くするポイントとしては、荷物量を調整することや立地面を考慮することが重要です。
3期制の料金形態では在庫量を調整して倉庫保管料を安くすることもできます。
物流倉庫は単に物流機能だけでなく、3PLなどアウトソーシングサービスも充実していることが多いです。
物流倉庫を有効活用して物流機能を高めましょう!