BTS型倉庫とは?メリット・デメリットやテナント型との違いについても紹介

BTS型倉庫,とは

BTS型倉庫を利用することで自社に合わせた運用ができることを知っていますか?

この記事では「BTS型倉庫」について解説していきます。結論、BTS型倉庫は自社に最適化させるので初期投資が必要になるのが特徴です。

BTS型倉庫を検討する際、わかりづらい「BTS型倉庫」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。

その他にも「BTS型倉庫のメリット・デメリット」の説明や、「テナント型との違い」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んでBTS型倉庫について知っていただければ幸いです。

また「物流コスト」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。

目次

BTS型倉庫とは?

BTS型倉庫とは?

BTS型倉庫とは、物流倉庫の一つです。賃貸で利用できるタイプが多く、大規模である場合が少なくありません。名前のBTSとは、Build To Suitの略です。

日本ではマルチテナントタイプが多いものですが、BTS倉庫も増加傾向にあります。BTS型倉庫は建築の際に入居者の要望を聞き、特注で行われることが一般的です。

さらに

  • 建てる場所の立地がいい
  • 使い勝手の良い
  • 入居者のコストダウン

などが叶う場合があります。

冷凍冷蔵倉庫や医薬品の保管など、一般的な倉庫では保管が難しく感じる場合に活用される例が多いものです。建築される場所は利便性の高い場合が多く、業務効率が図れます。
大きさは大規模であることが多く、一つの会社が独占してBTS型倉庫を利用するケースが大半です。

BTS型倉庫を利用するメリット

BTS型倉庫を利用するメリット

BTS型倉庫を利用するメリットをみていきましょう。

経営を最適化できる

昨今の経済状況で、経営の最適化は多くの企業で重要な課題です。物流倉庫の見直しや選択は、経営の最適化につながります。
BTS型倉庫は戸建の注文住宅のように、設計から相談することが可能です。

こんな倉庫が欲しいという要望も、テナント倉庫より叶いやすいでしょう。大幅なコストダウンにつながることもあり、経営課題の解決に導くこともあります。
経営環境を見直したいという場合は、BTS型倉庫を選択することも選択肢に入れてみてください。

自社に合わせた倉庫を利用できる

自社に合わせた倉庫を利用できる

BTS型倉庫は、細かな要望にも応えてくれます。会社の取り扱う商品や考えに合った倉庫の利用が可能です。
自社に合わせた倉庫は、作業効率の向上に貢献してくれるでしょう。

過去には、チルド物流を取り扱っている企業が

  • 冷凍や冷蔵設備に環境を意識したものを導入
  • 自動ラック
  • マテリアルハンドリング機器

などを導入したBTS型倉庫を利用しました。倉庫にこだわりを持つ業界にも、BTS型倉庫は役に立つでしょう。
一般的な倉庫では物足りない場合にも、BTS型倉庫なら納得のいく倉庫運営が実現しやすいです。

立地などの自由度が高い

BTS型倉庫は、立地の希望も出せます。アクセスしやすい場所や商品を納品しやすい場所などを選択することが可能です。
首都圏をはじめとする大都市圏に届けるのによい場所や通勤しやすい立地を選ぶ例が多い傾向です。

希望に合った立地の倉庫であれば、業務効率もあがるでしょう。業務効率が上がれば、収益アップも夢ではありません。
また立地だけでなく、温度帯や構造の自由度も高いものです。

自社で使うことだけを考えて設計できるので、汎用性の高い倉庫と比べて使い勝手も格段に上がります。今の倉庫の不満がある場合には、BTS型倉庫の利用も検討してみるといいでしょう。

BTS型倉庫を利用するデメリット

BTS型倉庫を利用するデメリット

BTS型倉庫には、デメリットもあります。主なデメリットをみていきましょう。

維持費が高くなる

BTS型倉庫は、維持費が必要です。維持費は従来の倉庫よりも、高くなる傾向にあります。BTS型倉庫の利用は、資本金の多い会社が中心です。

資本金が少ない場合は、BTS型倉庫の利用を続けることは難しいかもしれません。

BTS型倉庫を検討する場合は、維持費を含めて費用対効果が取れるのか考えるといいでしょう。維持費をなるべく抑えたい場合は、BTS型倉庫ではなくテナント倉庫を利用する方がコストを抑えられます。

長期間での契約が必要になる

長期間での契約が必要になる

BTS型倉庫は、長期間での契約が必要です。一般的な契約期間は最短でも10年以上で、テナント型の倍以上といわれています。
大手企業は自社に合った設計のBTS型倉庫をアウトソーシングして利用するケースが少なくありません。

短期間で利用できる倉庫を探している場合は、BTS型倉庫は不向きです。利用する前に、長い視野に立った経営計画を立てないといけません。

長期的な契約が、将来的な事業の足かせになる可能性もあります。契約する場合は、慎重に検討することがおすすめです。

初期投資が必要になる

BTS型倉庫を導入するには、初期費用が必要です。すでにあるテナントを倉庫にする場合は、立地や倉庫の状態によって初期費用がほとんどかからない場合も少なくありません。

BTS型倉庫は一から建物を建設するので、莫大な初期費用が掛かることもあります。初期費用を抑えて倉庫の運営をしたい場合には、BTS型倉庫の初期費用がハードルになるかもしれません。

初期費用について社内でよく検討する必要があるでしょう。

BTS型倉庫が拡大している背景とは?

BTS型倉庫が拡大している背景とは?

BTS型倉庫はメリットとデメリットの両方がありますが、拡大傾向にあります。なぜ拡大しているのか背景をみていきましょう。

会社ごとに最適化された倉庫の需要が拡大している

激動する社会の中で、最適化された倉庫を求める企業が増加傾向にあります。汎用性の高い倉庫に物足りなさを感じて、BTS型に変更する企業も少なくありません。
BTS型倉庫では、きめ細かな要望にも応えてくれます。

例えばセキュリティを重視したい会社の場合は、BTS型倉庫は魅力的です。最適化された倉庫も活用して経営効率を向上したり、業務効率を上げたりすることを目指す企業もあります。

今後さらに特定の分野に特化した倉庫を希望する企業が増えると考えられるので、ますます需要が高まると予想できます。

物流倉庫自体の需要が拡大している

物流倉庫自体の需要が拡大している

物流倉庫は、EC市場の拡大とともに需要が拡大しています。BTS型倉庫にかかわらず、倉庫自体の注目度が高まっている傾向です。

今後もリモートワークの拡大や世界的な感染症の影響を受け、物流倉庫の需要は高まるでしょう。倉庫のスペースの不足や人手不足を叫ぶ声もあります。

倉庫のスペースが足りないという事態を防ぐために、自社に合わせたBTS型倉庫でスペースを確保しておきたいという考えの会社も少なくありません。物流倉庫の需要が上がれば、BTS型倉庫を求める声も増えるでしょう。

テナント型と比較して長期契約になりやすい

BTS型倉庫は、長期契約を希望する企業にとっては魅力的です。長期で安定して業務を行いたい場合は、長期契約の方が魅力的に感じられます。
BTS型倉庫を自社専用倉庫として活用する企業も少なくありません。

企業の多くは、自社で所有していた物流施設を処分してBTS型倉庫をアウトソーシングしています。

例えば

  • 自社物流施設のアクセスが悪い
  • 施設が古くなってきたので手放したい
  • 自社物流施設を統合して資産を整理したい

などの場合に長期で利用できるBTS型倉庫は魅力的です。

BTS型倉庫を取り扱う不動産会社にとっても、長期契約は安定収入につながるのでメリットが大きいものです。利用する企業側も不動産会社も両方にメリットがあるので、BTS方倉庫は拡大しています。

BTS型倉庫を利用する業者とは?

BTS型倉庫を利用する業者とは?

BTS型倉庫を利用する業者の代表例についてみていきましょう。

資本力のある会社

BTS型倉庫を利用する場合は、資本力のある会社が多いものです。BTS型倉庫の利用には初期費用や維持費用が掛かります。
また大規模な建物になる傾向で、維持には一定以上の人員や設備が必要です。

そのため資本力の安定している大企業が、BTS型倉庫を活用している例が大半です。BTS型倉庫の利用を検討する場合は、資本力が求められるでしょう。

大規模な施設を必要としている会社

大規模な施設を必要としている会社

BTS型倉庫は、大きな施設です。そのため大きな施設を求める会社が利用しています。

具体的には

  • 大量の冷凍商品を取り扱う
  • 医療品を取り扱う
  • 現金輸送をするので大規模なセキュリティが必要

などの業者が利用している例が多いものです。

一方で小規模のスペースだけで事足りる場合は、BTS型倉庫はスペースが余る可能性があります。

その場合はBTS型倉庫の利用をしても、コストがかかるだけという結果になりかねません。大きな施設を必要とする大手企業が、BTS型倉庫を利用しています。

テナント倉庫の特徴

テナント倉庫の特徴

テナント倉庫は、汎用性の高い倉庫です。マルチテナント倉庫と呼ばれることもあります。

テナント倉庫の主な特徴は

  • どのような企業でも使えるように設計されている
  • 入居者の出入りがある
  • 複数の企業でテナント倉庫を使う
  • 一般的には建築後にテナントが募集される
  • 入居者が出て行っても決まりやすい

などが挙げられます。

BTS型倉庫が戸建ての注文住宅に例えられるのに対して、テナント倉庫は分譲マンションに例えられることも少なくありません。

テナント倉庫は汎用性が高いので、スピード感を持って建築できます。BTS型倉庫は建築完了までに数年かかることもあります。
しかしテナント倉庫はすぐに用意できるように、不動産会社が複数のテナント倉庫を用意している例が少なくありません。

今すぐ倉庫を借りたい、BTS型倉庫よりもコストを抑えたいという場合に魅力的でしょう。

大規模資本によって開発されることが多い

テナント倉庫は、大規模資本が開発しています。テナント倉庫を利用すると、自社の資金だけではカバーできないような設備や規模の倉庫が借りられるというメリットがあります。

コストを抑えつつも、より良い条件の場所で倉庫を利用したい場合に魅力的です。また立地条件はBTS倉庫のように指定できませんが、大規模資本が買い取った条件の良い場所に立っている場合が少なくありません。

従業員のアクセスや倉庫からの搬入がしやすいテナント倉庫が簡単に見つかります。

また物件によっては、搬入搬出作業をテナント倉庫の担当にお願いできる場合もあり、業務効率も上がる可能性があります。他の会社と共同で利用することで、良い刺激になる可能性もあります。

パート従業員などを雇用しやすい

パート従業員などを雇用しやすい

テナント倉庫は、設備が充実しています。働く環境が整えられていて、パート従業員を集めやすいところが魅力です。
自社で倉庫を用意すると、働きやすい環境を整えるのにコストがかかりすぎることがあります。

しかしテナント倉庫の多くは、初めから働く人のことを考えた設備が整えられている場所が多いものです。
テナント倉庫によっては、

  • 食事処
  • きれいなトイレ
  • コンビニなど買い物ができる場所

などが完備され、従業員の満足度が高い場所もあります。人手が足りずに困っている会社は、評判の高いテナント倉庫を利用することでパート従業員の応募が増える可能性があるでしょう。

設備にこだわってテナント倉庫を選べば、従業員の満足度を大幅にアップできます。

IT化が進んでいるところが多い

テナント倉庫の多くは、IT設備も充実しています。IT設備を上手く利用することで、人手不足や作業効率の悪さを改善できます。

ITを使うと、

  • 端末を使い簡単に現在の在庫が管理できる
  • 貨物管理や配車管理のITシステムで行う
  • ITシステムの導入よりコストが削減できる
  • 作業手順の効率化ができる

などの効果が期待できるでしょう。

今後さらにATを使った設備が充実することが期待されていて、より一層仕事がスムーズにできます。自社で倉庫を用意した場合には、導入が難しいような設備を利用できる可能性もあります。

BTS倉庫で用意した場合は設備の導入管理や設備の更新作業など負担もありますが、テナント施設であればもともと施設に備わっていることが多いものです。費用を抑えながら、IT設備を利用したいと考える会社にもテナント倉庫は魅力的でしょう。

BTS型倉庫について理解しよう

BTS型倉庫について理解しよう

この記事の結論をまとめると

  • BTS型倉庫は利用する企業のニーズに合わせて建築する倉庫
  • メリットは経営の最適化や自由度の高さ
  • デメリットは費用が掛かること
  • 倉庫全般に注目度が集まっている
  • 最適化された倉庫を求める企業が増加している
  • 利用している業者は大きな施設が必要な資本力のある会社

BTS型倉庫を上手く利用すれば、業務効率を大幅にアップできる可能性があります。ただし費用が掛かるので、費用対効果に優れているか確認するといいでしょう。

今回の記事を参考に、あなたに合ったBTS型倉庫を見つけてみてくださいね。

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