D2Cブランドに興味を持っていませんか?
今回は「D2Cブランドの特徴」について解説します。
結論、人気の高いD2Cブランドには、共通の特徴があります。
D2Cブランド自体の特徴から、人気のブランドの共通点までをまとめました。
その他に「D2Cブランドの市場規模」や「D2Cブランドと似ているものの違い」についても解説します。
ぜひ、今回の記事を参考に、D2Cブランドを成功させてください。
また「D2Cブランドの立ち上げ方」については、こちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
D2Cの市場規模
D2Cは、2025年に市場規模が3兆円に達すると予想されています。(参考:デジタルD2Cの市場規模、2025年には3兆円に達すると予測 | 調査のチカラ)
D2C成長の背景には、SNSによるコミュニケーションの発達や、コロナ禍で非対面・非接触が関係しています。
企業側は、SNSを通じてブランドコンセプトを伝えられるメリット。
消費者側は、実店舗に行かず、非対面・非接触で購入できるメリットがあるのです。
これらの時代的要因が、D2Cの成長を後押ししたと考えられます。
D2Cが注目されている理由
D2Cが注目されている理由は、以下の4つです。
- 販売価格を抑えられる
- 顧客との関係性を構築しやすい
- ブランドの世界観を伝えやすい
- より顧客のニーズに合った商品を提供できる
D2Cは、従来の販売方法とは異なります。
そのため、D2Cにしかない売り方ができるようになり、注目されるようになりました。
以下で、なぜそれぞれの理由が発生するのか、解説します。
販売価格を抑えられる
D2Cブランドは、販売価格を安く抑えられる点で注目されはじめました。
D2Cブランドは、製造から販売、サポートまでを一貫して行います。
仲介業者を介さないため、手数料や運営コストを削減できるのです。
企業側も余計なコストをかけずに済み、消費者も安く商品を購入できるので、双方ともにメリットになります。
顧客との関係性を構築しやすい
D2Cブランドが注目される理由に、SNSの存在があります。
従来の実店舗営業では、顧客とのコミュニケーションを図れませんでした。
一方でD2Cブランドは、SNSなどを通して顧客とのコミュニケーションを図りやすくなったのです。
ブランドの魅力はもちろん、消費者の悩みを解決できるため、ファン化につなげられます。
ブランドの世界観を伝えやすい
D2Cブランドは、ブランドの世界観を伝えやすいです。
D2Cブランドは、商品企画から販売まで、自社で一貫して行っています。
そのため、ECサイトやSNS、商品まで、すべてにおいて世界観を統一できるのです。
他社へ販売委託するケースもありますが、他社のプラットフォームでは独自のル―ルが定められている場合もあります。
自社サイトであれば、ルールに制限されず、自社の思い描く通りの世界観を消費者に伝えられるのです。
より顧客のニーズに合った商品を提供できる
D2Cブランドは、消費者の意見を収集しやすい形です。
仲介業者を介さないので、顧客の属性や興味関心など、詳細なデータを自社で得られます。
さらにSNSを組み合わせてアンケート調査を実施すれば、より顧客のニーズに合った商品を展開できるようになるでしょう。
また、SNSなどから、新しいアイデアが生まれる可能性もあります。
D2Cブランドの大きな特徴7つ
D2Cブランドの大きな特徴は、7つあります。
- 販売チャネルのメインがEC
- 商品の種類を少数に絞り込んでいる
- 顧客との距離感が近い
- 買い手がファンになる
- 消費者に直接販売
- コンテンツマーケティングを行っている
- 商品を安く販売できる
上記の特徴は、D2Cブランドならではの特徴と言えます。
D2Cブランドが人気となっている理由とも言えるでしょう。
それぞれの特徴について、以下で具体的に解説します。
販売チャネルのメインがEC
D2Cブランドの販売チャネルのメインは、ECです。
販売チャネルというのは、商品やサービスを流通させるための経路を指します。
実店舗はほとんどなく、仮に実店舗がある場合も、顧客とのコミュニケーションを重視した「展示場」としているのです。
実店舗による販売を行っていないため、コストを安く抑えられます。
商品の種類を少数に絞り込んでいる
D2Cブランドは、商品の種類が少ないです。
アイテムを絞り込んで、強いブランド力の構築を目指している特徴があります。
従来の実店舗の場合、アイコンアイテムではない商品も店頭に並べていましたが、D2Cブランドは少数精鋭に絞り込んでいるのです。
これにより、コスト削減や世界観の統一を実現しています。
顧客との距離感が近い
D2Cブランドは、顧客との距離感が近いです。
D2Cブランドのほとんどは、SNSを顧客との対話の場にしており、コミュニケーションを充実させています。
SNSの使い方は、ただ新商品やキャンペーン情報を一方的にPRするだけではありません。
コメント内容を受け取り、積極的に商品に反映させるようにしています。
顧客との信頼関係も生まれやすいです。
買い手がファンになる
D2Cブランドの大きな特徴は、企業と買い手の関係性です。
従来では、商品やサービスを販売する側、購入する側という一定の関係性でした。
しかし、D2Cブランドは、SNSでの交流も多いため、ブランドにファンがつきやすいです。
ファンが増えれば、リピーターが増え、LTVも向上します。
消費者に直接販売
D2Cブランドは、消費者に対して、ダイレクトに販売できます。
従来では、大型のECモールを通して販売していた企業が多いのではないでしょうか。
D2Cブランドの場合は、自社サイトからダイレクトに販売するため、ユーザーの声を拾いやすいといったメリットがあります。
ユーザーの行動や心理なども把握しやすいため、さらなる顧客満足度を目指せるのです。
コンテンツマーケティングを行っている
D2Cブランドの特徴として、コンテンツマーケティングを積極的に行っているブランドが多いです。
コンテンツは、ユーザーによって有益な情報となります。
定期的にコンテンツを発信することで、見込み客の育成となり、結果として購入や成約につながっていくのです。
コンテンツの形式は、以下のようなものがあります。
- オウンドメディア
- SNS
- メールマガジン
- 動画・音声配信
昨今では様々なコンテンツがあるので、ブランドの世界観に合わせたコンテンツを選べます。
商品を安く販売できる
D2Cブランドには、中間業者が挟まれません。
そのため、従来の販売方法でかかっていた費用を削減でき、ユーザーに安い値段で提供できるのです。
もちろん、コストが減った分、企業側の利益率もアップします。
安価でハイクオリティである点も、D2Cブランドの特徴と言えるでしょう。
とくに人気の高いD2Cブランド3つ
とくに人気のあるD2Cブランドを、3つ紹介します。
- FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)
- COHINA(コヒナ)
- Warby Parker(ワービーパーカー)
それぞれのブランドは、日本や海外で人気のD2Cブランドです。
ブランドの特徴を紹介するので、共通点などを見つける参考にしてください。
FABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ)
FABRIC TOKYOは、スーツをメインとしたD2Cブランドです。
スーツをメインにしながら、洋服のカスタムオーダーができます。
コンセプトを「Fit Your Life」とし、サイズだけではなく、ユーザー一人ひとりの生き方に合わせた1着を提供。
サイズの計測をするために店舗はありますが、店舗では計測のみで、販売は行っていません。
ECで注文を完結させるのではなく、リアルとECのハイブリット型の商品提案を行っています。
COHINA(コヒナ)
COHINAは、女性を専門としたアパレルブランドです。
女性に特化しているだけではなく「小柄な女性専門」という点で差別化を図っています。
ターゲットは「150cm前後の女性」。
服のサイズが合わないと悩んでいる女性に特化した服を販売しています。
SNSでの発信にも力を入れており、2022年6月現在、Instagramのフォロワーは24万人。
ターゲットを絞り込み、多くの女性から支持を得ています。
Warby Parker(ワービーパーカー)
Warby Parkerは、アメリカで人気の高いD2Cブランドです。
メガネを軸に展開しており、2021年の9月には、ニューヨーク証券取引所への上場を果たしています。
とくに大きな特徴は、自宅で試着できるサービスの「HOME Try-On」。
申し込むと5つのフレームが送られ、一番気に入ったフレームのみを購入できます。
instagramでは「warby home try on」のハッシュタグをつけて投稿し、どのメガネが似合っているのかのコメントをもらえます。
ファンを巻き込みながら顧客満足度を上げている、D2Cブランドの良い例と言えるでしょう。
人気のD2Cブランドに共通する特徴
人気の高いD2Cブランドには、共通する特徴があります。
- 独自の世界観がある
- SNSでの活動が活発
- 品質向上に取り組んでいる
先述した人気のD2Cブランドも、3つすべてを抑えています。
それぞれの特徴が、どのようなメリットになるかなどを踏まえて、以下で具体的に解説します。
独自の世界観がある
成功しているD2Cブランドには、すべて独自の世界観があります。
独自の世界観があることで、買い手がファンになっていくのです。
また「世界観」というのは、決して商品やサービスだけではありません。
ECサイトのデザインやSNSなどでの発信も、世界観の一つ。
細部まで世界観を徹底することで、顧客のファン化に繋げられます。
SNSでの活動が活発
人気の高いD2Cブランドは、積極的にSNSで発信しています。
ただ発信しているだけではなく、顧客との交流も活発です。
たとえば、以下のような使い方をしています。
- コメントへの返信
- 自社投稿の李ポスト
- アンケート機能を使用したアンケート
各SNSの機能を使い、ただPRするような使い方はしません。
交流することで、顧客離れを防ぎながら、新規顧客の獲得に努めています。
品質向上に取り組んでいる
人気の高いD2Cブランドは、積極的な品質向上を行っている特徴があります。
D2Cブランドは、自社で製造から販売までを一貫しているため、顧客データが取得しやすいです。
そのため、データを参考にして、より質の良い、ユーザーの使いやすいサービスや商品を作り出しています。
質の良さはもちろん、使いやすさや値段など、顧客目線で考えているのです。
D2Cとその他の違い
D2Cについては、まだ理解できていない人もいます。
とくに、以下の2つとは混同されやすいです。
- 従来の通販
- SPA
以下でそれぞれの違いについて解説するので、D2Cブランドを立ち上げたい人は、理解しておきましょう。
D2Cと従来の通販の違い
D2Cは、ECサイトにて販売を行うのが一般的です。
そのため、従来の通販と同じように感じてしまう人も多いでしょう。
しかし、従来の通販とD2Cは異なります。
通販とは、いわばセレクトショップに近い形態です。
あくまで、商品を他社から仕入れて、通販として販売します。
一方でD2Cは、製造から販売までを自社で行い、仕入れではありません。
どの工程を担っているかが、従来の通販との大きな違いと言えるでしょう。
D2CとSPAの違い
SPAとは「Speciality store retailer of Private label Apparel」の略で、アパレル製品を扱うビジネスを指します。
D2Cの多くはアパレル製品であるため、同じような物だと思ってしまう人もいるでしょう。
しかし、D2CとSPAでは、2点の違いがあります。
- 販売チャネル……SPAは店舗販売も行う
- 提供価値……SPAは効率化重視
似てはいるものの、大きな違いがあるので、それぞれを理解しておくと良いでしょう。
D2Cブランドはこれからの時代に合った売り方
多種多様なニーズがある昨今では、D2Cブランドは、時代に合った販売方法と言えます。
SNSを使ったり、自社のみで一貫したり、昔ではできない販売方法です。
さらに、現代のインターネットを上手に使っている特徴があります。
これからD2Cブランドを立ち上げるのであれば、人気ブランドの特徴を意識しながら立ち上げていくと、成功する可能性が高いです。
ぜひ、今回の記事を参考に、D2Cブランドの立ち上げを検討してみてはいかがでしょうか。