D2Cブランドに興味を持っていませんか?
今回は「D2Cブランドの立ち上げ」について解説します。
結論、D2Cブランドは、簡単に立ち上げられます。
しかし、立ち上げるのと売上を確保するのは別物です。
しっかりと事業として行っていくのであれば、愛されるD2Cブランドになるように育てていきましょう。
その他に「D2Cブランド立ち上げのメリット」についても解説します。
ぜひ、今回の記事を参考に、新事業としてD2Cブランドの立ち上げを検討してみてください。
また「EC物流の仕組み」については、こちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
d2cブランドとは

D2Cブランドとは、「Direct to Consumer」の略です。
日本語にすると「製造者が仲介業者を介さず、消費者と直接取り引きをする」という意味になります。
つまり、D2Cブランドとは、直接消費者に商品を販売するブランドです。
また「デジタルから始まったブランド」という意味もあります。
D2Cブランドの定義は曖昧な部分も多いですが、より消費者との距離が近くなったブランドと考えて良いでしょう。
D2Cブランド立ち上げのメリット

D2Cブランドの立ち上げは、いくつものメリットがあります。
これまでのブランドの売り方よりも、メリットでD2Cブランドを選んでいる人も多いのではないでしょうか。
主なメリットは、以下の3つです。
- コスト削減につながる
- 顧客を理解しやすい
- マーケティングしやすい
それぞれのメリットから、D2Cブランドは利益になりやすいと言えます。
なぜそれぞれのメリットが発生するのか、以下で解説します。
コスト削減につながる
D2Cブランドは、主にインターネット上での販売がメインになります。
そのため、実店舗を用意する必要がなく、経費を抑えられるのです。
さらに、受注に応じて商品を用意するので、無駄な在庫を抱えるリスクがありません。
仕入れから家賃、人件費など、必要以上の経費をかけずに済みます。
顧客を理解しやすい

D2Cブランドの売り方は、基本的にECサイトです。
インターネット上で管理できるため、顧客の情報を把握しやすいメリットがあります。
顧客一人ひとりのデータ分析や好みなどの傾向も知れるので、ニーズに応じた商品の提供が可能。
SNSなども合わせて使えば、よりターゲットを絞り込んだ商品やサービスを開発できるでしょう。
マーケティングしやすい
D2Cブランドのマーケティング方法は、自由度が高いです。
実店舗がある場合、地域などの縛りによって、一定の制約が生まれます。
一定の制約のなかでのマーケティングは、競合他社との差別化が図りにくく、デメリットとなるでしょう。
一方でECサイトをメインとしているD2Cブランドは、細かい制約がありません。
商品やサービスを、自由かつ魅力的に宣伝できます。
D2Cブランド立ち上げのデメリット

D2Cブランドは、ブランドを立ち上げる上で、メリットが多いです。
しかし、決してデメリットがないわけではありません。
主なデメリットは、以下のとおりです。
- 集客コストがかかる
- 長期的な施策が必要
大きなデメリットとして、実店舗との違いがあります。
なぜそれぞれのデメリットが生じるのか、以下で解説します。
集客コストがかかる
D2Cブランドの主な売り方は、ECサイトです。
そのため、実店舗のように、フラっと立ち寄ってくれるといった集客方法はほとんどできません。
実店舗であれば、好立地やショッピングモールにお店を出せば、ある程度の集客は見込めます。
しかし、D2Cブランドの場合、SNSやインターネットで集客しなければいけません。
そのため、広告費などで、コストがかかる可能性があります。
長期的な施策が必要
D2Cブランドは、知名度がないところから始まります。
とくに、1からブランドを立ち上げる人は、ほぼ知名度がありません。
そのため、顧客を確保していくのに、長期的な施策が必要になります。
ブランドを立ち上げてからすぐに顧客がつかず、諦めてしまう業者も多いです。
少しずつでも着実にファンを育てていく根気がなければ、D2Cブランドの立ち上げは難しいでしょう。
D2Cブランドの立ち上げで考えておくべき内容

D2Cブランドを立ち上げ、成功させるためには、以下の内容を考えておくべきです。
- WHY
- WHO
- WHAT
- WHO(2回目)
- HOW
それぞれをしっかり考えて立ち上げていかなければ、D2Cブランドを立ち上げても失敗する可能性が高いです。
どのように考えていくかを、以下で解説します。
WHY
一番最初に考えておくべきは「なぜこのブランドを立ち上げるのか」です。
すべての職業に言えますが、とくにブランドは「想い」が大事になります。
ファンを獲得しなければいけないD2Cブランドにおいては、想いがなければ、ファンもつきにくいです。
ただ勢いでD2Cブランドを立ち上げるのではなく「何をしたいのか」「なぜやるのか」「何を提供したいのか」を考え、整理しておきましょう。
また、その想いをどのように顧客に発信していくかも考えておくと良いです。
WHO
WHOは、ターゲットの設定です。
自身の立ち上げるD2Cブランドが、どんな人の価値になるのかを考えておきましょう。
重要なのは、顧客の顕在ニーズを考えることです。
たとえば、ファッションブランドであれば「お洒落をしたい」が潜在ニーズですが、「お洒落をしたい」はあえてあなたのブランドでなくても良い理由にはなりません。
あなたのブランドを選んでいるのには、必ず何かしらの「顕在ニーズ」があります。
より具体的に、何を求められているのかをしっかり考え、それを満たすブランドにしていきましょう。
WHAT

WHATは、どういう価値や意味を提供するかを考えます。
「自社のD2Cブランドの価値とはなにか」といった、どのような職業でも重要なパートです。
ただし「価値」というのは、機能的な価値だけではなく、情緒的も合わせて考えてください。
情緒的価値まで考えることで、より魅力的に感じてもらえます。
WHO(2回目)
2回目のWHOでは、よりターゲットを明確にしていきます。
たとえば、20代男性をターゲットにしても、20代男性は世の中に多くいるため、適切なターゲットとは言えません。
20代男性であれば、その男性が「普段どんな生活をしていて」「どんな趣味を持っているのか」「どんな悩みを持っていて」「どんな性格なのか」まで考える必要があります。
ターゲットをより明確にすることで、自社のファンになる人物像が明確になっていくでしょう。
HOW
HOWは、具体的にどのように売っていくのかを考えます。
マーケティングの基本として、以下の2つの方法が挙げられるでしょう。
- 4P
- USP
D2Cブランドは、ECサイトを使用してすぐに立ち上げられるため、勢いで進めてしまう人もいます。
しかし、しっかり売れる仕組みを作るには、マーケティング観点も重要です。
本当に売れる商品やサービスを作るために、マーケティングについても勉強しておくと良いでしょう。
D2Cブランド立ち上げの9ステップ

D2Cブランドの立ち上げは、決して難しくありません。
極論を言えば、商品を作って販売を開始するだけです。
ECサイトを利用すれば、数時間で仕組みは整うでしょう。
しかし、売れるD2Cブランドを立ち上げるとなると、ただ作って売るだけではありません。
考えておくべきステップを、9つに分けました。
- 市場調査
- ブランドコンセプトの決定
- 商品の企画
- 製造工場の調査・決定
- 事業計画の立案
- 商品の制作
- 販売チャネルの選定
- 集客方法
- 販売開始
それぞれをどのように考えていくべきか、以下で解説します。
市場調査
一番最初に行っておくべきなのは、市場調査です。
どんな商品やサービスでも、世の中に需要のない商品は売れません。
そのため、現在世の中でどのようなニーズが発生しているのかを調査する必要があります。
主な調査方法は、以下の4つ。
- アンケート調査
- インタビュー調査
- 行動視察調査
- SNS調査
より具体的に調査を行う場合は、複数の方法を組み合わせて行いましょう。
ブランドコンセプトの決定
D2Cブランドにおいては、ブランドコンセプトが重要です。
消費者は、誕生背景や世界観を魅力的に感じます。
ただ「便利」や「安い」だけでは、飽きられてしまう傾向があるので、コンセプトを決めておくのはとても重要です。
しっかりと顧客を獲得するために、ブランドコンセプトの決定は、時間をかけましょう。
商品の企画

ブランドコンセプトを決めて、やっと商品の企画に移ります。
商品のコンセプトを決めておかなければ、生み出す商品にブレが生まれてしまうためです。
消費者は、コンセプトや世界観からズレてしまう商品やサービスに対して厳しいため、離れてしまう可能性もあります。
そのため、軸となるコンセプトを意識しながら、商品を企画すると良いでしょう。
製造工場の調査・決定
D2Cは、企画から製造まで、すべての工程を自社で行うのが一般的です。
そのため、製造工場の調査から決定に至るまでも、時間をかけなければいけません。
とくに工場の選定で重視するべきポイントは、以下の4つです。
- 仕上がりの丁寧さ
- 品質の良さ
- コスト
- 提案に対する柔軟性
すべてを揃えた工場は難しいので、自社にとって重要な部分だけを見ておきましょう。
たとえば、できるだけ価格を抑えたいのであれば、コスト重視で選んでください。
今後長く付き合っていく可能性のある工場なので、妥協はしない方が良いです。
事業計画の立案
D2Cブランドに限りませんが、事業計画を必ず立てておきましょう。
事業計画を立てておかなければ、後々、資金難に苦しむ可能性があります。
たとえば、商品販売で大量受注になった場合は、一気に多くの商品を生産するために、まとまった資金が必要です。
また、事業が落ち込んだ際に、どのように立て直すかも考えておかなければいけません。
「事業」としてD2Cブランドを立ち上げるのであれば、経営者視点で考えておきましょう。
商品の制作

事業計画まで進んだら、商品やサービスの制作を始めていきます。
企画段階でしっかり固まっていたとしても、商品なら試作品、サービスであればお試し期間を設けると良いです。
もし試しの期間で不具合や満足度に欠けると感じたら、企画段階からやり直した方が良いでしょう。
売れる商品やサービスは、簡単に作り上げられません。
何度も繰り返して、本当に価値の高い商品やサービスを生み出しましょう。
販売チャネルの選定
販売チャネルとは、商品やサービスを流通させるための経路を指します。
たとえば、自社のECサイトや実店舗などです。
販売チャネルを考える際のポイントに関しても、ブランドコンセプトが関係します。
たとえば、比較的高級志向でいくのであれば、実店舗があった方が良いです。
販売チャネルがブランドコンセプトとズレないように気を付けてください。
集客方法
D2Cブランドは、地道な集客方法を考える必要があります。
まずは知ってもらわなければ、商品は売れません。
マーケティング方法は様々なので、独自のアイデアでマーケティングを行えます。
たとえば「YouTube」や「TikTok」など、SNSを使うのも良いでしょう。
ただし、一気に知名度が上がる可能性は低いので、長期的に続けていく必要があります。
「数カ月で知名度があがり売れる」というのはまれなので、まずはじっくり長く、年単位でファンを増やしていきましょう。
販売開始

8つのステップを終えて、やっと販売開始です。
ただし、販売後にも意識しておかなければいけない点があります。
意識しておくべきは、アフターフォローやサポートなどです。
販売だけをゴールにしてしまうと、継続してファンになってくれる顧客が少なくなります。
愛され続けるD2Cブランドにするため、販売後の顧客管理も徹底しましょう。
D2Cブランド立ち上げのために企画から考えてみましょう

D2Cブランドを成功させるには、いくつも考えておくべき内容がありますが、まずは企画から考えてみてください。
「どのように売るのか」「どのように集客するのか」も大事ですが、多くの人のきっかけは「こんなものを作ってみたい」という気持ちです。
「D2Cブランドを立ち上げるために、この順序通りやらなければならない」と考えると、二の足を踏んでしまうでしょう。
そのため、単純に「やりたいか」「やりたくないか」で考えてみるのも大事です。
実際にD2Cブランドを立ち上げる際には、今回の記事を参考にしてください。