リフターとは?種類や物流以外での意味も詳しく紹介

リフター

物流業界では、倉庫や配送などで人力をサポートする役割として「リフター」は活用されていますが、物流以外の場面でもたびたび使われています。

ジャニーズのファン用語として使われていたり、英語では物流や配送とは全く異なる意味を持って使われていたり、複数の意味を持っているため、使い分けられるようにしましょう。

この記事では、「リフター」について物流、英語、ジャニーズ用語それぞれの意味を解説したうえで、使い方、構造や仕組み、種類について詳しく解説していきます。

目次

リフターとは?

?

物流業界では、搬送時に大きな荷物や重い荷物を人力だけで運ぶことが難しいと判断した際に、機械を使って持ち上げたり、下ろしたりする器具のことを「リフター」と呼びます。

リフターといってもさまざまな種類があるため、使用する場所の広さや荷物の大きさなどに合わせて最適なものを選ぶ必要があります。

また、以下のものをリフターと呼ぶこともあります。

  • リフター:はしご車についている昇降機
  • プジョー・リフター:プジョーが生産するミニバン
  • タイヤリフター:タイヤ交換、チェーン装着などタイヤを浮かせたいときに使用
  • リフター:リフィル式のシステム手帳やバインダーの中拍子として最初と最後のページに入れる敷居のことで、文房具の一種
  • リフター:テーブルや棚などの下に設置すると、家具の高さを調整できる家具用品の一種

リフター(lifter)には、「持ち上げるもの」「持ち上げる人(重量挙げ選手)」などの意味があるため、物流では何かを持ち上げる道具をリフターとよんでいます。

リフターには万引きという意味も?

?

リフター(lifter)には、「持ち上げるもの」「持ち上げる人(重量挙げ選手)」の意味以外にも「万引き」という意味があることを知っておきましょう。

「ショップリフター」というとお店から商品を盗む人(万引き犯)という意味があり、16世紀後半のイリギス、エリザベス女王時代にこの言葉が誕生します。

日本の映画監督である是枝裕和さんが2018年に手がけた世界的大ヒット映画『万引き家族』の英語タイトルは、「Shoplifters」とつけられたそうです。

ジャニーズにおけるリフターとは?

物流業界の荷物を持ち上げる荷物や万引き犯以外に、ジャニーズファンの間でも「リフター」という言葉が使われていて、ジャニオタ用語の1つとして知られています。

ジャニーズファン界隈では、コンサートで高い位置までグングン柱部分が伸びていく昇降機のことを「リフター」と呼んでいて、2階以上の席からもアイドルがよく見えます。

一方、アリーナエリアの花道を通りながらファンサービスする際に使われる上下する乗り物のことは「ポップアップ」と呼ばれていて、リフターとは異なります。

リフターの使い方とは?

リフターの使い方とは?

リフターはさまざまな場面で使われていますが、主に物流業界の中でも倉庫や工場などの大きな商品や材料の搬送が行われている現場で重宝されています。

  • 製品、商品、作業用の機械、機器、重量のある荷物を整理するとき
  • 人の肩よりも高い位置にある荷物をとるとき
  • 人の肩よりも高い位置に荷物を置くとき
  • フォークリフトが使えない狭さで荷物を移動させるとき
  • トラックへの積み込み、積み下ろし
  • 荷物の段積み、組み立て作業

広いスペースが必要なフォークリフトと比べるとコンパクトに作られているリフターも多くあるため、小回りが効くので細かい作業にも適しているのが特徴的です。

また性能の高いリフターを使えば、操作する人の運転の好みや作業量に応じて、バッテリーやパワーの調整ができるため、安全性も確保されているので作業効率が高まります。

ハンドリフトのオイルの入れ方

ハンドリフトのオイルの入れ方

まず、ハンドリフトのオイルを入れるために、以下のものを用意することから始めてください。

  • マイナスドライバー1本
  • オイル約0.37リットル(※鉱物性作動油22番)
  • ウエス(オイル拭き取り用)適量
  • 油さし(オイラー)1〜2本

続いて以下の手順でオイルをハンドリフトに入れていきます。

  1. ハンドルを引いてピストンを上昇
  2. マイナスドライバーで給油口のプラグを外す
  3. ピストンを一番下まで降下
  4. 油さしでオイルを抜き取る
  5. オイルタンクからオイルを完全に抜き取る
  6. ハンドルを倒して、シリンダ内のオイルを抜き取る
  7. 給油口からオイルを入れる(鉱物性作動油22番を使用)
  8. 給油口からオイルが漏れないように気をつけて、ハンドルを倒してピストンを上昇
  9. 完全に上昇したら降下させて、再度ピストンを上昇
  10. 給油口プラグを装着
  11. 上昇・降下を繰り返して、不自然な動きがないか、給油口から油が漏れてこないかを入念に確認

給油口からオイルを入れるときは、線やテープなどでMAXが記載されているのであればそのラインが適量ですので、必要以上に補充しないよう気をつけてください。

ハンドリフトのオイル漏れが起きたらどうする?

ハンドリフトの心臓部分「ポンプ」のオイル漏れが起こると、フォークが揚がらなくなり、昇降不良につながるため、パッキンセットの交換が必要です。

おおよそ20,000円(税込)〜の費用で「ポンプ部のオーバーホール」「パッキンセット交換」「注油」の手順で修理が完了するため、使い捨てをせずに修理に出しましょう。

オイル漏れは、揚がるはずのフォークが揚がらなくなり、パレットが救えずに重用量の搬送ができなくなることにつながるため、早めに修理依頼をすることが大切です。

修理して使い続ければ、買い替えの費用を節約できるだけではなく、環境面でもエコになるため多くのメリットがあります。

リフターの構造・仕組みとは?

リフターの種類によって構造や仕組みは異なるものの、一般的なリフターの大半がフォークリフトの全部についているフォークをパレットに差し込んで、ハンドルを手前に引くと油圧によってパレットが持ち上がる仕組みになっています。

手動で動かすものから自動化、機械化されたものまで多種多様なリフターが開発されているため、利用頻度や利用用途に合わせて最適なものを選んでください。

リフターの種類

リフターの種類

リフターの種類は、以下のとおりです。

  • ハンドリフター・テーブル付ハンドトラック
  • レベルリフター
  • 高揚程ハンドトラック
  • ジブリフト
  • 首振り機構付タイプ

それぞれの種類について解説します。

ハンドリフター・テーブル付ハンドトラック

ハンドリフター・テーブル付ハンドトラックは、テーブル(昇降)リフトに車輪をつけて、高さ調整や運搬が簡単に行える省力機器です。

テーブルの昇降の種類手動油圧式(足踏み式)電動油圧式(バッテリー式)
ハンドリフターの種類シャバラ付き(手などを挟むリスクを軽減)ローラーコンベヤ付き(ローラーより簡単で安全)

コンパクトサイズで作業人自らがリフターを引いて利用するため、小回りが効く点メリットと言えますが、規定以上の大きさの荷物を運ぶことはできません。

人力でも動かせるものの、少しでも体力を消耗しないため、肉体的な疲労を分散する目的で利用すれば、有効活用できるでしょう。

レベルリフター

レベルリフターは、荷物を取っても載せても自動的に同じ位置を維持することができる省力機器です。

特徴2つの段ボールを載せても、1つの段ボールを載せても台の位置が変わるため、視界を遮ることがない
用途ノブの回転によって、バネの圧力を無段階に調整可能組み立てラインなどで作業中に立ったり座ったりする動作を解消常に手元で作業ができて効率を高められる
寸法位置・昇降範囲荷物の重さや大きなに関係なく作業テーブルの高さを一定に保てる

レベルリフターは、バネでテーブルの高さを自由自在に調整できる特徴があるため、荷物を運ぶだけではなく、机の上で作業をしたり、作業してから載せるときに便利です。

テーブルのサイズは特別大きいわけではないため、規定以上の重さや大きさのある荷物の場合は、使えない可能性があるため、設定範囲を確認してください。

高揚程ハンドトラック

高揚程ハンドトラックは、運搬機能のひとつとして高さ調整機能が導入されている省力機器です。

特徴フォークの上のテーブルが取り付けできる
用途片面使用バレットソリッド型パレットボックスパレット
フォークの昇降の種類手動油圧式(足踏み式)電動油圧式(バッテリー式)

人間と荷物を一緒に乗せて高い位置まで持ち上げるため、倉庫の部屋が高い場合などに外からアプローチする場面などに活用できます。

大きな段ボールであれば直接フォークの上に置くことができて、小さな荷物をまとめて運びたいときは、テーブルを取り付けるなど、臨機応変に使い分けることができます。

ジブリフト

ジブリフトは、荷物を吊り上げたり吊り下げたり、着脱時などに使用する省力機器です。

特徴吊り上げ用のフックがついてるギヤードトロリーがついている(前後の移動が可能)
用途工場での金属の交換作業部品や材料の着脱重量のある蓋の着脱

ハンドチェーンと歯車減速機の組み合わせによって微量の力で移動できるギヤードトロリーがついていることで、より大きな荷物や硬いものの移動に便利です。

作業員がギヤードトロリーの向きや高さを調整しながらコントロールする必要があるため、慣れるまでは商品や材料、部品を破損しないように細心の注意が必要です。

首振り機構付タイプ

首振り機構付タイプは、前後に移動するフックに荷物を取り付けて移動させる省力機器です。

位置が自由に合わせられるため、歩い程度の大きさのものであっても移動させることができるので、ジブリフトで運べない荷物があるときは、首振り機構付タイプを使いましょう。

クリーンルーム用リフターの特徴とは?

クリーンルーム用リフターの特徴とは?

クリーンルーム用リフターとは、リフターの中でも名前の通り「クリーンルーム」専用で利用する省力機器のことを意味しています。

【クリーンルーム用リフターの特徴】

  • 食品、薬品を中心とする生産現場で使用する
  • クリーンルームと呼ばれる衛生管理が厳しい現場で使用する
  • 塗装されていないステンレス製のため、塗装片がゴミとして部屋に落ちる心配がない
  • 油圧リフターの場合、定期的にオイル交換や各部のグリスアップが必要
  • 油圧シリンダに使用しているパッキン類は、使用していく中で摩耗していくため、劣化したタイミングで交換が必要

衛生面での汚れが心配な場合は、クリーンルーム用リフターの使用を推奨しますが、100%異物を生み出さないと保証されているものではありません。

ただし、一般的なリフターよりは使っていく中でポロポロと塗装が取れる心配はないため、リスク軽減の一環として導入を検討してみてください。

ビームリフターとは?

ビームリフターとは、油圧シリンダーのような伸縮する機構を備えたジャッキとビームがついている揚重機器です。

ビーム上部もしくはビーム下部をジャッキの伸縮と走行台車を使って移動させる方法が用いられていて、荷物の重さを移動させることができるのでバランスを保てます。

手動でバランスを取ったり移動させたりする機器が多いリフターですが、ビームリフターは操作盤や操作ケーブルがついていて、自動化されているのが特徴です。

リフターについて理解しよう

この記事の結論をまとめると、

  • リフターとは、物流業界において機械を使って荷物を持ち上げたり、下ろしたりするのに利用する機器のこと
  • 英語でリフター(lifter)には「万引き」の意味がある
  • ジャニーズファンの界隈では、コンサートでアイドルが支柱の高く上がった1人用ステージのことを「リフター」と呼んでいる
  • リフターは、人力で移動、積み上げ、荷下ろしが難しいとき、体力や疲労を減らす目的で使われている
  • 工場や倉庫、トラックがある現場で利用されることが多い
  • ハンドリフトのオイルを入れるときは、投入する量と給油口をしっかり閉めるように注意する
  • リフターの構造は、種類によって異なるものの、フォークをパレットに差し込んで、油圧によって荷物を持ち上げることができる
  • リフターの種類として「ハンドリフター・テーブル付ハンドトラック」「レベルリフター」「高揚程ハンドトラック」「ジブリフト」「首振り機構付タイプ」がある
  • 食品や薬品の生産現場では塗装が取れたりする心配のないクリーンルーム用リフターを利用すると安心
  • ビームリフターは、ジャッキの伸縮と走行台車を使って移動させる機器

ということがわかりました。

物流業界の人手不足や作業員の負担を軽減するため、「リフター」は大きな役割を果たしてくれるでしょう。

また、物流業界以外では、全く異なる意味でリフターが使われているので、ケースバイケースでどの「リフター」の話をしているのか判断してみてください。

目次